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SPECIAL GIBSON / HEARTHIC ARCHIVES

特別なGibsonは、
なぜ生まれたのか。

Custom Shop、日本市場向けの限定・別注モデル、世界限定モデル、そしてMurphy Lab。通常ラインの外側には、特定の時代や仕様、一本の名器をもう一度形にしようとして生まれたGibsonがあります。その歩みを、アコースティックを中心にたどります。

過去の名器を、もう一度つくる。

ヴィンテージGibsonへの評価が高まるにつれ、単に昔のモデル名を復活させるだけでなく、年代ごとの構造や外観まで掘り下げて再現する考え方が強くなっていきました。

1990s

復刻という考え方が、ひとつの領域になる

1990年代、Gibson Customは歴史的モデルの再現を重要な柱として発展していきます。年代ごとのボディ形状、ネック、パーツ、塗装など、通常モデルでは拾いきれない細かな違いまで研究対象になりました。

Custom Shopは単に豪華な仕様をつくる場所ではなく、Gibson自身が自社の過去を見直し、名器の理由を現代の製作へ戻していく場所でもあります。

BOZEMAN

アコースティックにも広がる「年代を再現する」思想

J-45、J-50、Southern Jumbo、Hummingbird、SJ-200などでも、特定年代を意識した復刻や限定仕様が数多く作られてきました。

同じモデル名でも、ネック形状、ブレーシング、サドル、ピックガード、ロゴ、使用材などの違いによって、狙っている時代もサウンドも変わります。

日本だから生まれたGibson。

日本市場には、通常の世界共通ラインとは異なる仕様を持つGibsonが数多く流通してきました。特に山野楽器が日本総代理店を務めていた時代には、日本のユーザーや販売店の要望を反映した限定仕様・別注仕様が見られます。

VINTAGE INSPIRED

特定年代の復刻

バナー・ロゴ、アジャスタブル・サドル、年代を意識したピックガードなど、当時のディテールを取り入れたモデル。

MARKET EXCLUSIVE

日本市場向け仕様

カラー、木材、ピックアップの有無など、通常カタログとは異なる組み合わせで企画された個体が存在します。

DEALER ORDER

販売店・代理店別注

同じ「限定」であっても、Gibson全体のシリーズではなく、代理店やディーラーの企画によって生まれたモデルがあります。

WHY IT MATTERS

資料の少なさも、この時代の特徴

当時のカタログや販売資料が十分に残っていないモデルもあり、中古市場ではラベルや仕様、当時の資料を照合して背景を探る面白さがあります。

「何本だけ作るか」から始まる一本。

限定モデルには、周年記念、アーティストモデル、希少材の採用、特定年代の復刻など、さまざまな理由があります。生産数そのものが明示されるモデルもあれば、地域や販売先を限定したモデルもあります。

ANNIVERSARY

周年記念

ブランド、工場、モデルの節目を記念し、その時代だけの仕様や装飾を与えられたモデル。

ARTIST

アーティスト・モデル

著名な演奏家が実際に使用した一本や、その仕様・意匠を基に作られるシグネチャーやレプリカ。

HISTORIC REISSUE

歴史的仕様の再現

通常ラインでは採用されない年代固有のディテールを持ち込み、限られた本数で製作される復刻モデル。

SPECIAL MATERIAL

特別な木材と仕様

希少材や通常とは異なる組み合わせなど、その企画だから成立したスペックを持つモデル。

そしてGibsonは、「時間」まで再現し始めた。

ヴィンテージの再現が構造や仕様だけではなく、塗装の変化や手触り、長年使われてきた雰囲気へまで広がった先にMurphy Labがあります。

TOM MURPHY

新品を、古いギターのように見せるのではない

Tom Murphyは、ヴィンテージGibsonに見られるラッカーの変化、ウェザーチェック、金属パーツのくすみなどを長年研究してきました。

目指したのは単に傷を付けることではなく、何十年という時間を過ごした楽器に現れる変化を理解し、その質感を再現することでした。

2021

Murphy Lab、本格始動

Gibson Customの中で、Tom Murphyが培ってきたヴィンテージ再現の考え方を体系化したMurphy Labが本格的に展開されます。

塗装の質感やエイジングの程度まで作り分けることで、Historic Reissueは「当時の仕様」だけでなく、「長い年月を経た姿」へ一歩踏み込みました。

2023

Murphy Lab Acousticへ

その考え方はボーズマンで作られるアコースティックへも広がります。J-45、Hummingbird、Southern Jumbo、SJ-200、L-00など、Gibsonを代表するモデルでMurphy Lab仕様が展開されるようになりました。

ヴィンテージを再現するという考え方は、形、構造、塗装、そして弾いた時の感触まで含む領域へ進んでいます。

名前が似ていても、意味は同じではない。

中古市場では「Custom Shop」「Limited」「Japan Limited」「Murphy Lab」という言葉が並びますが、すべて同じ分類ではありません。

Custom Shop

歴史的モデルの復刻や特別仕様などを担うGibsonの製作領域。モデルによって企画や位置づけは異なります。

Japan Limited

日本市場向けの限定仕様を表す際に使われる呼び方。すべてが一つの公式シリーズ名として統一されているわけではなく、代理店別注や販売店企画を含む場合があります。

World Limited

世界での生産数や販売範囲を限定した企画。限定本数が明示されるものもありますが、「Limited」の意味はモデルごとに確認する必要があります。

Murphy Lab

Gibson Customの中で、ヴィンテージの塗装や経年変化まで掘り下げて再現するモデル群。Custom Shopそのものと同義ではありません。

シリアルだけでは分からない歴史を調べる。

何気なく中古市場に並んでいる一本が、その時代にしか作られなかった特別仕様かもしれません。誰が企画し、どこで販売され、通常モデルと何が違ったのか。そこまで辿ると、そのGibsonの見え方は大きく変わります。

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