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MODERN GIBSON / HEARTHIC ARCHIVES

新たなモダンGibson
― Songwriter

Gibsonのアコースティックを語るとき、物語の中心にはJ-45やSouthern Jumbo、Hummingbirdといった歴史的モデルがあります。しかしSongwriterは、そのどれとも少し違います。過去の名器を復刻するためではなく、21世紀のGibsonが新しい定番をつくるために生み出したシリーズ。その成り立ちと魅力をたどります。

伝統を復刻するのではなく、
新しいGibsonをつくる。

Songwriter Deluxe Studioは2003年に登場しました。スクエアショルダーのドレッドノートに、スプルースのトップとローズウッドのサイド&バック。Gibsonが得意としてきたJ-45系とは違う方向から、現代的なレンジと扱いやすさを狙ったモデルです。

2003

Songwriter Deluxe Studioの登場

Songwriterは、1940年代や1960年代のモデル名を復活させたシリーズではありません。Gibson自身が21世紀に入ってから新しく設計し、定番化させていった比較的新しいアコースティックです。

ローズウッドが生む豊かな倍音と広いレンジ、スクエアショルダーらしいスケール感を持ちながら、Gibsonらしい力強さも残す。そのバランスがSongwriterの出発点でした。

BOZEMAN

長い経験を、新しい形へ

製作の舞台はモンタナ州ボーズマン。J-45やHummingbirdなど歴史的モデルを作り続けてきた工場で、Songwriterも生産されてきました。

過去の意匠をそのままなぞるのではなく、Gibsonが積み重ねてきたアコースティック製作の経験を、現代のプレイヤー向けに組み直したところに、このシリーズの面白さがあります。

同じGibsonでも、
目指した音はかなり違う。

Songwriterを理解しやすいのは、Gibsonの代表格J-45と比べたときです。優劣ではなく、設計の方向性そのものが違います。

比較J-45Songwriter
ボディラウンドショルダースクエアショルダー・ドレッドノート
代表的なS&Bマホガニーローズウッド
音の方向性中域の押し出し、乾いたまとまり、歌を支える反応深い低域、伸びる高域、倍音と各弦の分離感
モデルの背景1942年から続く歴史的モデル2003年に始まったモダンシリーズ

※木材、年式、ブレーシング、弦、コンディションによる個体差が大きいため、音の表現はシリーズ全体を一律に断定するものではありません。

「Studio」という名前だけでは、
このモデルは語れない。

Gibsonで「Studio」という名称を見ると、装飾を抑えた実用的なグレードを想像します。Songwriter Deluxe Studioも華美さより演奏する楽器としての完成度を重視したモデルですが、材構成そのものは非常に本格的です。

今回HEARTHICで紹介する2010年製個体

今回のSongwriter Deluxe Studioは、スプルーストップ、ローズウッドのサイド&バックに加え、指板とブリッジにエボニーを採用しています。

ローズウッドの豊かな響きに、エボニーを使った指板・ブリッジの硬質で明瞭なタッチ感が組み合わさる仕様。J-45系とは違う、輪郭が見えやすくレンジの広いGibsonを楽しめる一本です。

単純な「廉価版」として見るよりも、装飾を抑えながらSongwriterの核となるサウンドと実用性をしっかり備えたモデルとして見る方が、このギターの性格に近いでしょう。

ヴィンテージだけではない、
もう一つのGibson。

Gibsonの魅力は、過去の名器を作り続けることだけではありません。Songwriterは、その長い歴史を持つメーカーが21世紀になってから新しい定番を生み出そうとしたことを示すモデルです。

THEN

J-45、Southern Jumbo、Hummingbird

歴史的なGibsonには、それぞれが誕生した時代の音楽や演奏環境が色濃く反映されています。それを現在まで守り、復刻してきたことがGibsonの大きな魅力です。

NOW

そして、Songwriter

Songwriterはその歴史を土台にしながら、ヴィンテージの再現を目的にしない新しいシリーズとして生まれました。古いGibsonとは違うからこそ価値があり、Gibsonというブランドの幅を見せてくれる一本でもあります。

Gibson自身が、新しい定番をつくろうとしたモデル。
それがSongwriterを知るうえで、最も面白いところかもしれません。

主な参考資料

モデルの登場時期や現行Songwriterの位置づけは、Gibson公式資料を中心に確認しています。年代ごとの細かな仕様には差があるため、販売個体については実物の仕様を優先して記載します。

歴史が浅いことも、
ひとつの歴史になる。

J-45のように80年以上続く物語ではありません。しかし2003年に生まれたSongwriterも、すでに20年以上にわたりGibsonのラインナップを支えてきました。ヴィンテージの再現ではないGibsonを見ると、このメーカーの別の表情が見えてきます。

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